「那智センパーイ、デートしませーん?」

それはいつも通りの朝だった。
突然3年校舎にやってきた美少年がそう言って微笑む。
ものすごく、胡散臭い笑顔だなぁ。

「...音羽君、あのねぇ」

「おい」

あたしの言葉を遮ったのは晃。
多分だけど、めちゃくちゃ怒ってる。何、まさかの嫉妬?
何だろうねえ、すっごく愛しいっていいますか。こんなのあたしのキャラじゃないんだけどさ。

「お前、何なんだよ」

「えぇ、この前“ゴアイサツ”しに行ったじゃないですかぁ。皆大好き相澤君ですよぅ」

2人は明らかに火花を散らしてる。目に見えるんだけどどういうこと、神か。
モテる女はツラいなーなんてふざけてる場合じゃないかも。一年のくせに三年校舎来て先輩に喧嘩売るとかどんだけー。