─────カラン...... ドアを開けるとふわっとコーヒーの香りがした。 ...ああ、またコーヒー飲んでるんだろうな。 そう思いながらカウンターの席に座る。 「今日も来たのか」 「またコーヒー飲んでるんだ」 「まぁな」 「よくそんな苦いもの飲めるね」 「ガキにはこの美味さが分かんねーよ」 コーヒーを飲みながら 私のことを「ガキ」というこの男は、 このカフェのマスターです。