ケータイ小説 野いちご

ウタオト

volume.1
♪.優しさ



楽器店にて。



「あ、あったあった!」



耀さんはお目当てのモノを見つけたらしく、それを手に取った。



お目当てのモノは私にはよく分からないものだった。




「それ、今度のライブで使うんですか?」




万紀はウキウキ来たように耀さんに尋ねた。




「んー、内緒」



彼の唇に指を当てた内緒ポーズに、万紀は顔を真っ赤にしてふらりとよろけている。




あれが通常の反応なんだろうけど、私はどうも反応がおかしいらしく平然としていた。




「あら、奇遇ね」



「げ、桜小路……」




聞こえた声に万紀はあからさまに嫌な顔をした。




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