ケータイ小説 野いちご

ウタオト

volume.1
♪.嫌いなはずなのに



PVの撮影が終わると、次はPVの合間に差し込む一人一人の演奏映像を撮り始めた。



それを見ながら私は椅子に座り、スタッフさんに渡されたお茶を飲んでいた。



今は閑雅さんのギターの部分を撮影していて、少し離れた所では睦月さんと耀さんはさっき撮ったPVの映像を観ている。



すると、私の隣に碧さんが座った。




「碧さん、お疲れさまです」



「……ありがと」



「何か飲みます?」



「……いらない」



私は立ち上がろうとした体をもう一度椅子に落ち着ける。




「……あのさ、聞きたいことあるんだけど良い?」




「はい?」




「……あんたさ、鈴鳴学園の音楽科ピアノ専攻に通ってたでしょ?」




碧さんの言葉に、ドクンっと胸が鳴った。





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