ケータイ小説 野いちご

ウタオト

volume.1
♪.テレビの彼ら



「入りたくないな……」



目の前にそり立つのは大手芸能事務所、upstoneのビル。



此処は晏佳叔父さんの職場であり、私がお弁当を届けるために訪れた場所だ。




でも、中に入るだけなのに四苦八苦してしまう。



理由はただ一つで、顔馴染みが多いから。



このupstone芸能事務所は生前の両親が所属していた事務所で、社長さんはお父さんの友人。



昔から私も両親に連れられてよく来ていたから、私の顔は社員のほとんどの人が知っている。



「はぁー、入るか……」



溜め息を一つ溢すと、私は中へと足を踏み入れた。




エントランスは白を基調とした床に、ガラスの壁と吹き抜けの天窓から入る光で明るい雰囲気だ。



そんなエントランスを抜けて、真っ正面にある受付へと歩く。





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