「おまたせ!」

地元の駅のホームで、私がそう言うと、萌がこっちを向いてきた。
そして、ニッコリと笑ったあと、リュックをあさりだした。

「じゃーん!!」

そう言って見せてきたのは綺麗にラッピングされたプレゼントだった。

「りほ、16歳の誕生日おめでとう!!」

顔をクシャッとさせながら萌は両手でプレ
ゼントを渡してくれた。

嬉しくて口元がニヤニヤしちゃう。

「ありがとう!…そっかー誕生日だったね」

4月の中旬が誕生日だから、いつも新しい環境に疲れてて忘れちゃうんだ。
でも、萌は13年連続で祝ってくれる。

「それ、毎回言ってるしー」

お腹を抱えて笑ってくる。
萌が彼氏の好みにあわせて30分かけて作ってるツインテールが揺れた。