「はぁ…はぁ………」

「広樹、大丈夫…?
無理しないで…一回休む?」

「大丈夫…だ………っ」


息も切れ切れで相当辛そうな広樹だけど、どうにか頑張って私の肩にしがみついて歩いている。


「はっ……明美を守る、って…言ったのに…
情けねえな、俺っ……」

「そんなことない!
私は十分助けられたし…今私が生きてるのは紛れもなく広樹のお陰だよ…!

ありがとう広樹。
大好きだよ…」

「…………………あぁ」


横から、ふっと息をはく音がした。


こんな状態でも笑ってくれる。


友達は3人も失ってしまったけど、私には広樹がいる。


広樹と二人で、ここから出られる。


一人じゃなくて…大好きな広樹と。


そう考えると、心なしか周りの冷たかった空気が少し和らいだ気がした。