「おい、それは卑怯じゃねぇか?」


10人で1人を攻めていた。

怯えきったボロボロの男が言った。


「やめて…おけ。こいつら、は、強い…」



私が負けるわけない。

こんなチンピラ小僧達に。



「あぁ?誰だてめぇ。今謝れば見逃してやってもいいぞ?」



それはこっちのセリフだがな。




「闇に包まれし己は星闇。」




その言葉を聞いた男はいきなり震えだし、叫ぶ。



「なっっ!星闇!?」




「闇に包まれし目は、星の光さえ見えぬ。黒く塗られし心は月の光の癒しを知らぬ。命を無駄にする者には天罰を。」


(輝きを知らない目は星の光さえも輝いて見えない。真っ黒な心は月を見てもなにも感じない。
命を大切にしない者には天罰がくだるだろう。)




そして、被っていたフードをとって、黒い髪をなびかせた。




「ほ、ほんとうに、星闇だっ!」


その中のリーダーでさえ震え上がった。






「天罰が与えられる時間だ。」



バキッ

ドカッ

ガッ

ドスっ




嫌な音が狭い道にひびく。




全員気絶させた。




「大丈夫か?」




私はそっと微笑みかける。



「あ、ありがとうございます。」




私は立ち上がり、また深くフードを被った。



「透き通る水、輝く星を見れば思い出す。この夜と、星闇を。」



(透き通る心、輝く瞳を見れば思い出して欲しい。私の言ったことと、自分のしてしまったことを。)