「…………待って!!!!!」



――――――ゴンッ!


「いったぁ……」「いってぇ……」


ん?


あたしは、頭の天辺に鋭い痛みを感じ、頭を押さえて踞る。


一方、目の前の男は、鼻を押さえながら背を向けて痛みを堪えてる。


「え?太一??」


「てめぇっ!!急に起き上がるんじゃねぇよっ!!!」


鼻を押さえる太一の手から、鼻血がポタポタと滴っている。


「え?あれ!?」


あたしは、辺りを見回す。


ここは、煌龍の倉庫前だった。



あ、そっか。


あたし潤と別れてから、ショックで何も考えられなくなって、とりあえずここに向かったんだっけ。


でも、倉庫自体が開いてなくて、他に行く所もなくて、ここに佇んでたんだ。


そしたら、寝ちゃったのね。


あーあ。結局学校さぼっちゃった……。