「明日っから夏休みかぁ~。」
直が、テーブルに頬杖をつきながら遠い目をしている。
「ほらっ。あんたの番だよ。」
「おー……うわ!俺また子供出来た!!やばくね?ヤリまくってんな俺!!いてっ!!」
「下品。」
直は、百合さんに思いっきり頭をひっぱたかれる。
「次俺の番ー♪」
春馬がルーレットを回す。
あたしは今、なぜか幹部室で皆と人生ゲームをしている。
というかここの所、学校が終わると毎日煌龍の倉庫に来ては、こうやって皆と過ごしていた。
そうこう日々を過ごす内に、明日からは待ちに待った夏休みだ。
「ヤバイ!俺借金地獄!!!次、茉弘ちゃん?」
「んー。」
「茉弘は、随分資産家ですねぇ。」
あたしがルーレットを回そうとすると、上から覗き込むように恭が顔を出す。
「お帰り。」
「ん。ただいま。」
恭は、あたしを見て優しく微笑む。
最近あたしは、日に日におかしくなっていく。
恭の笑顔を見ると、胸の奥の方がキュウってなるんだ。