話をしてるうちに時間は経過してて。 壁にかかってる時計で時刻を確認して「そろそろ帰りますね」と彼に伝えた。 「そっ……」 素っ気なく返された。 「また、来ます」 ややお決まりの言葉を残して、部屋を出た。 廊下に出ると、桐谷さんが壁にもたれかかっていた。 私に気づくと「もういいの?」と言った。 「はい」 「そっか」 今日は結構、話せた。 名前まで知れた……。