「はぁーい!」


私達は男子を無視して…というか存在を忘れて飛び出した


早入りしたのは私達だけだったから走り回っても大声出しても迷惑をかけることはなかった


6月下旬なのにカキ氷が売ってたから2人で買って食べ歩き…


「姫奈はさ、なんでこの都市に来ようと思ったの?」


うーん……超能力者になりたいとか言っていいのかな?


まぁいっか?


「私はね、超能力者になりたいんだー。小さい時からの夢でね?非現実的で言わなくなったけど…こんな風にさ?なれるよって言われたから」


久しぶりに自分の夢を語った

小さい時は魔法使いになりたい‼︎って言っても「可愛いわねー」で済まされていた


でも10歳…11歳…12歳…と年を重ねるごとにバカにされた


悲しくて悲しくて自分の夢を言わなくなった…


「へぇ…。いいね、夢あるの」


びっくりした…真白の事がからバカにされると思ってた


「バカにされると思ったでしょ?」


「……。」


図星だから何も言えなかった


「あはは‼︎図星じゃん‼︎可愛いなぁ…」


私のどの辺りが可愛いのかわからない…


またお世辞かぁ…


「真白は?なんでここに来たの?」


明るくてサバサバしてるから向こうの世界でもうまくやっていけそうなのに…


「私?私ね、こんな性格じゃん?だから嫌われやすいんだ。思ったこと言っちゃうから…。」


……。


私の周りは何と言うか…思ったこと言ってくれなくて嘘ばっかりだからそんな性格好きだけどなぁ…


「だからね…こっちに来て新しい友達作ろうと思って。早入りを希望したのも先に回っておきたかったんだ。ヘマしないように…」


みんな心に闇を…誰にも言えない秘密を持ってるのかな…?


私が…まだみんなに言えてないことと同じように…


「私…真白の性格好きだよ‼︎前の学校、思ったこと言ってくれなかったから…」


「……ありがと」


えへへ…お礼言われるの慣れてないから照れ臭い。


「もー…姫奈可愛すぎ‼︎」


な‼︎可愛くないから‼︎


「もうっ‼︎バカにしないで‼︎」


本当にもぉ…


「ねぇ、あれ。徹と爽じゃない?」


……あ、本当だ


爽くんたちはもう会員証作ったみたいだから私達も作りに行った


機械がすんごく混んでて時間がかかった…


「お待たせ〜♪♪ごめんね遅くなって…。証明写真の機械が混んでて…」


「おい真白……」


え⁉︎何⁉︎爽くんキレてる⁉︎


「あー恥ずかし。姫奈は渡さないからね」


私?んんー??何のこと⁉︎


「は?姫奈はもらうから。まずお前のじゃねーし」


真白にもらうの?何を?


「ねーねー、私が何?真白に何をもらうの?お菓子?」


「「「……。」」」


えー⁉︎何か変なこと言った⁉︎


「えー⁉︎どうしたの⁉︎何⁉︎え?」


わからなすぎて聞きまくる


「じゃ、一旦寮に帰ろっか」


わからないけど…大した問題でもなさそう


私の問題は入学式。


今では真白っていう大切な友達ができたからいいけど…


クラスが離れたらどうしよう…


怖いなぁ……


でも頑張るもん!