家の前で徹と待機してた俺たち。


すると急にすんげぇでかい高級車が家の前に止まった


のんきに喋って荷物を受け取る鈴川っていう奴


席はどこでもいいって言われたから車の中に入ると後ろに凄い美人な人が座ってた


「爽ー。どこにするー?」


「あー…ここでいいんじゃね?」


とりあえず徹に適当に返した


今まで香水の匂いがキツイパンダみたいな化粧をしたやつがジャンジャン寄ってきた


だから女は嫌い


でも後ろの女は俺に気づいても媚びは売ってこないし、香水もつけてない


___バックン…バックン…


あーなんだこれ?急に動機が…


病気?ではないか…


「爽?どうかした?顔真っ赤…」


「は⁉︎そんな訳ねーよ」


焦って素っ気ない返事をした


うーん…って何か考えた後


「あ‼︎わかったぁ…」


な…?落ち着け…落ち着け俺…


「ちょっと腕、貸して」


ん。と腕を出す


大して何も考えずに出したら


「後ろの女の子のこと惚れちゃった?」


……!?


「は……⁉︎ちょ……」


ニヤニヤしながら見てくる徹を無視して聞こえてないか後ろを見る


心配も無用だったようでスースー寝息を立てている


「爽クン、わっかりやすーい。心臓バクバク言い過ぎでしょ」


……あ!


「てんめぇ…腕貸せって…‼︎」


「顔では分かりにくいので脈を計らせてもらいましたー☆」


……‼︎あぁー!!ムカつく!


「爽クン可愛いー♡弱味握れた」


上機嫌な徹と反対に超不機嫌な俺


「あんなに女嫌いだった爽がなー‼︎こんなところでねー?」


ってボロクソにいじられることは目に見えている……


「あんなに女嫌いだった爽がまさかこんなところで好きな女ができるなんてねー」


ほら見ろ。やっぱり始まった


しばらくいじられた後、また新しい人が乗ってきた


うるさいくらい気さくで明るい


徹と息があったみたいでずーっと喋ってる


俺も姫奈っていう奴に喋りかけたいけどそんな勇気ない


つーか俺ってこんなにヘタレだっけ?


「あ、着きましたよー。ここが能力開発都市です」


家を出てからかれこれ3時間半


「「わぁぁぁ……」」


2人で歓声をあげてるところを見てるとこっちまで笑顔が漏れる


徹がニヤニヤしながら見てくるのでなんと言うか…ウザい