華菜side


「おはよう~、伊織ちゃーん」


「華菜ー、おはよう!」


私の親友の、桐崎伊織ちゃん。


スタイルよくて、かわいくて、お姉さんな雰囲気の伊織ちゃん。


とっても優しくて、もう私にはもったいないくらい。


おまけに男の子からモテモテなんだよ。


「今日も居た?サクラくん」


「うん…いたよ…?」



伊織ちゃんにはサクラくんのことを言っている。


叶いっこない恋だけど、伊織ちゃんは応援してくれてるんだ。


「よかったじゃん!告白しないんでしょ?」


「……うん」


告白は、しても、絶対に玉砕する。

やってもないけど、そういう自信がある。


奇跡がおこらない限り無理だと思う。


確実に……。


自分の考えに自分でへこみながら、一時間目の授業の用意をする。


「華菜ー!ちょっと」


私の名前を呼ぶ声が聞こえて、その方向を見ると、


友達が手招きをしていた。



タタッと駆け寄ると、とびらの影に男子がいた。



「どうしたのー?」


と声をかけた。


「ちょっと…、いいかな?」


そこにいたのは、隣のクラスの皆がかっこいいと騒いでいる人だった。


「はい…?」



彼は、私の前をスタスタと歩き出した。



ついてきてってこと、だよね?