「おはよう」
「お、おはよう…」
朝、リビングで彰がおどおどと返してきた。
いつも通りコーヒーを出してきたので、ゆっくり飲む。
「翼?」
「何?」
「化粧は…」
「やらない。もう、必要ないわ」
「そっか」
もうあのハデで濃い化粧も、盛りすぎの髪形も、ぶりッ子でギャルの性格もやめる。
普段の顔と、ストレートの金髪と、このままの性格でいく。
あいつらがいるのに容赦なんかしない、だから化粧やキャラなんかに力をいれていられない。
「彰、行くわよ」
「ま、待って」
「いい、先行くわ」
私は彰を置いて家を出ていった。