ケータイ小説 野いちご

天然王子

《第2章》
しょっぱい飴玉

 

「ねー…」


ある日の授業中、私は問題が解けなくて隣の田熊の肩を叩いた。


「あ?」


田熊は眉間に皺を寄せてこっちを振り向いた。

もしかしたら寝起きかも


「え、どしたのさそんな険しい顔して」

「…字がなんも見えねーんだよ」


田熊は再び険しい顔をして黒板を見た。


「メガネ作れば?」

「つくりに行く暇がねぇ」

「じゃあコンタクト」

「毎回買ったら金かかる」


そういえば田熊ん家ってお姉さんと二人暮らしだっけ。

生活費稼ぐために色んなバイト掛け持ちしてるっぽいし…

田熊も色々と大変なんだなぁ…


「あ、じゃあ代わりに作って来てあげよーか?」

「いやそれ意味ねーし」


私の考えは一瞬で却下された。


「仕方ねーからバイト1日休んで作りに行くわ」


あ!!メガネで思い出したけど、そういえばどうしよう"これ"…

私は鞄の中から壊れたメガネを取り出した。


「あ?なんだよそれ」

「王子のメガネ…」

「は?」


弁償するの忘れてた…

王子はいいって言ってたけど…やっぱりこーゆーのはちゃんとしといた方がいいよね。



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