「…ま、また君か」




ガラリと保健室の扉を開けた私を、彼が脅えきった眼差しで迎える。





「はい、怪我しました」




そしてボタボタと鮮血を滴らせている指先を見せると




「ギャーッ!!!」




彼が大声をあげて飛び上がった。



その反動で、座っていたキャスター付きの椅子が勢いよく後ろの棚にぶつかる。




「あ、先生。なんか棚から物落ちましたよ」



「知るかそんなこと!っていうか何で君はそんなによく怪我をするんだ!?マジで呪われてるんじゃないのか!?」





そんなことを言いながらも、実に手際よく消毒をしガーゼを当てて包帯をグルグル巻いてくれる先生。




いや、絆創膏で十分な怪我だと思うんだけどな。