浅井綾香失踪から5日が経とうとしていた。


杉村のクライムスイミングスクールへの聞き込み等によりようやく事件として扱われ、杉村を含め5人の捜査員による調査が始まった。


まず重要参考人としてあげられたのが元インストラクターの「大川 学」。


会議室のホワイトボードには学歴や年齢、住所など細かく書き込まれている。


実家は栃木県佐野市にあるという。先月誕生日を向かえ35歳と書かれている。


住んでいたのはスクールの隣にある古いアパートだ。アパートには大川所有の車も駐車場に停めてあった。


大川と浅井綾香との関係について詳しく調べるように命令が出された為、スクール関係者や浅井綾香の友人関係まで片っ端から聞き込みを開始した。


だが、聞き込みを開始して丸1日が経とうとしているが有力な情報は何1つ得られなかった。


わかったのは、浅井綾香が大川をすごく慕っていたという事実と、大川もすごく面倒見がよく周りからの評判も良かったとの事。


早速捜査は行き詰った。


都会とは違い、田舎には監視カメラなどもあまり設置されていない。それに人通りの多い道より少ない道の方が遥かに多いこの町で情報を集めるのも限界がある。


その頃、通り魔事件の方では大きな動きがあった。