６


翔と綾香は太田駅北口へと来ていた。


スイミングスクールに行ってから２日後にスクールの責任者、渡辺から電話が掛かってきていた。


内容は退職した大川について。渡辺が大川に連絡を取ろうと携帯にかけたが繋がらなかったみたいだ。


なので大川の実家へ連絡をした所、大川の妹さんがでたので事情を説明したが兄は実家には戻ってきていないと言われたらしい。


翔と美加は最後に綾香を見た人物までも失踪したとすると、綾香の失踪について大川は何か絡んでいるのではないか？という結論に至った。


１０分程待っていると１台のタクシーが目の前で停まる。


後部座席からはスーツ姿の杉村が現れ、そのまま駅前の喫茶店へと向かった。


綺麗な店内にはゆったりとしたＢＧＭが流れ、席も半分くらいが埋まっている。


とりあえず１番奥の席へと向かう。


席に着くなり杉村は店員を呼びドリンクメニューを私達に渡した。


程なくして店員がやってきたのでコーヒーとコーラを２つ頼む。


「さて、何があったのか説明してもらえるかな？」


杉村の表情が少し疲れているように見えた。


「あの・・まずクライムスイミングスクールってご存知ですか？」


杉村は首を傾げながら「そのスイミングスクールがどうしたんだい？」と聞いてきた。