ーこれは、とあるパソコンと、とある屋上と、とある海岸線の物語ー


「・・・いやぁ、久し振りだね彩乃。こーやってちゃんと話すの。」
「そう?まぁたしかにね。」
「病院での生活慣れた?」
「う、うん!なれたけど・・・。」
「けどって何?もしかして夜が怖いとか?」
「違うよ!夜は優香里がいるからこわくないよ!」
「そっか、じゃあ大丈夫か!じゃあまた明日ね!バイバイ!」
「バイバイ!・・・」

プチッ

ああ、楽しかった!
これが今の私にとって唯一の楽しみだった。
中卒の私、杉野優香里は、ちゃんと受験してたらもう高2。ヒキニート生活を送り続けて早2年。友達の少ないか弱い(笑)女の子。で、さっき一緒に通話してたのは、私の親友の春名彩乃。いつも夜の11時にすると約束している。私にどって唯一の友達、親友。でも一昨日、なんかの病気で入院してしまったらしい。なんの病気かは分かんないけど、結構重度な発作が起こったらしい。私にとっては大事なことだ。彩乃がいなくなってしまったらこれからどう生きていけばいいんだ?もし死んじゃったりしたら私も死んじゃおうか・・・っていうぐらいだ。でも、彩乃は結構余裕っぽくて、今日も一緒に通話できるくらいだ。ほんと、呆れちゃうよね(笑)じゃあもう寝ようか、遅いし。

ーそして夜が明けるー

雀の鳴き声とともに着信音が鳴り響く。
明朝に来ていたメールを10時くらいに見て、私は目から涙が溢れた。


件名:彩乃の母より

本文:彩乃が今朝6:04に亡くなりました。急で申し訳ございません。発作が原因です。


メールはこれだけだった。