参加会場への移動する船の中は沢山の応募者でライブ並みに賑わっていた。
「よー!敬通。」
大きく手を降る男は迷彩柄の長袖長ズボン、ヘルメットを身につけていた。スカーフやフェイスマスクもしていて顔が隠れているためよくわからない。
「俺だよ俺。わからないか?」
この聞き覚えのあるハスキーボイス。
「秀か?」
男はマスクを外し笑顔で腕をオレの首に回した。
「気づくの遅いっつーの。」
さりげなく髪の毛が少し痛かったが