ある日の放課後、美千は舞子と拓斗の後ろを歩いていた。二人は楽しく話している。

美千『どうしてっ!…どうしてこんな事になったの・・・』

事の始まりは、ある夏の日にあった・・・。
 夏休みも後半に入った頃の部活の帰り、美千と舞子は夕日に包まれながら話していた。すると急に舞子の元気が無くなった。

美千「舞子どうしたの?具合でも悪くなった?」

美千は暗い顔をしてうつ向いている舞子に尋ねた。

舞子「違うの・・・美千に大事な話があって・・・あのね、私も好きになっちゃった。」

美千「えっ?聞こえないよ・・・舞子・・・」

舞子「私も、拓斗の事が好きになっちゃったの・・・ごめん・・・。」

美千は、明るい、おどけたような声で言った、
「じゃあ、これからはライバルだね!」

舞子「ごめんね・・・。」

美千「謝らないでよ、舞子!しょうがないじゃん!さあさあ、早く帰ろ!」

二人は歩きだした、今度は二人とも黙っていた。

 それから数日後、舞子と拓斗は付き合っていた、舞子が告白したのだ。美千は告白できなかった。友達を傷つけたくないし、自分も傷つきたくないと言う気持ちが美千の中にあったのだ。それでも、舞子と拓斗は美千に仲良くしてくれている、一緒に帰ってくれている。美千は、自分に言い聞かせながら今まで過ごしてきた。

 ある日、舞子・拓斗・美千の3人でクラスメイトの智也の家へ遊びに行った。そこで美千は恋に落ちた、その人は智也のお兄さんだった。大司と言って高校2年生だった。

こうして運命の歯車は回り始めた・・・。