ひとめぼれ




サバサバしてて現実主義者なあたしにとって 縁なんてないと思ってた




あの日、カフェで働いてたあなたと出会って




きっと私は 馬鹿になったんだと思う




向こうからしたら ただの客




恋愛感情なんて抱かれたら迷惑な話だ




そう、頭の中では理解してるのに




理解してるはずなのに




心がこんなに痛むのは 何故なんだろう




恋愛は理屈じゃない




そう思い知った




そんな私を鏡越しで見てみた




そこに居たのは 弱々しくなった私の姿




それを見て 心の中で何かが吹っ切れた




はさみ片手に これまで綺麗だと誉められた 長い髪を切った




そして走り出す




伝えたい




強い私になるために




あの人に私の思いをぶつけたい




例えそれが向こうの迷惑になっても




そうすれば 強くなれる気がするから




そして 新しい私に『はじめまして』と 言える気がするから




だから伝えるね




『一目見た時から あなたのことが 好きでした』




Hello 新しい私








END