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「・・・」


次の日、花音は久し振りに制服に袖を通していた。

そして、首から下げているペンダントと左手に付けていたブレスレットを外そうとしてやめる。


(付けたままでも、大丈夫だよね)


花音が通う学校には、何故かアクセサリーに関する校則がない。

それに暫く休学していて、いきなり復帰することが出来ることが不思議でもあったが、父のいう通り、学校へ行けば少しは気を紛らわせることが出来ると思った。


「おはよう。久し振りだね、花音」

「「えっ!?花音(ちゃん)!?」」


久し振りに教室へと入ると、一人の少女が気が付いて声を掛けてきた。

その少女の声で気が付いたのか、少女と話していた別の二人の少女が振り返り振り返り、目を見開く。

だが、二人もすぐに笑みを浮かべて、花音の近くへ来た。


「本当、久し振り!」

「なかなか出てこないから、心配してたんだよ」

「うん。ごめんね、梨沙ちゃん。未央ちゃん。飛鳥ちゃん」


三人の顔を見回しながら、花音はそう返す。

如月梨沙、高梨未央、星宮飛鳥。

それが彼女達の名で、三人共、花音と仲のよい友人だった。