ー黒野雅sideー
本当は少し知っている。
坂市零。茶髪。同じ学年。
これだけだけど、全く『知らない人』ではなかった。
それから奈美が迎えに来るまで、前から抱いていた疑問を投げかけた。
…怖いんだ、不良が。
「不良ではないよ?たぶん。」
驚いた。
普通はそんな質問されてまともに返答する人はいないと思う。でも、彼はちゃんと返答してくれたし、その言葉を聞いて安心した。
「私不良って大っっっっ嫌いなんだよねっ!」
一応不良にあからさまな非難の意味を込めて彼に言った。どうせこの人も私を不良だと思っているに違いないから。
でも、彼は聞いてこなかった。
奈美は知っている。奈美だけが知っている私のカコ。
忘れられない…いや、忘れてはいけないのかもしれない。
本当は少し知っている。
坂市零。茶髪。同じ学年。
これだけだけど、全く『知らない人』ではなかった。
それから奈美が迎えに来るまで、前から抱いていた疑問を投げかけた。
…怖いんだ、不良が。
「不良ではないよ?たぶん。」
驚いた。
普通はそんな質問されてまともに返答する人はいないと思う。でも、彼はちゃんと返答してくれたし、その言葉を聞いて安心した。
「私不良って大っっっっ嫌いなんだよねっ!」
一応不良にあからさまな非難の意味を込めて彼に言った。どうせこの人も私を不良だと思っているに違いないから。
でも、彼は聞いてこなかった。
奈美は知っている。奈美だけが知っている私のカコ。
忘れられない…いや、忘れてはいけないのかもしれない。