「もーいーくつねーるーとー、しゅーぎょーしきー」

なにその替え歌。

無理矢理すぎだろ。

あれから数日、すっかり夜に溶け込んだ。

今は龍太のへんてこな歌に引いていたところだ。

「てか、終業式じゃなくてそこは夏休みじゃね?」

「そんなことないよ。終業式が来なければ夏休みは来ないし!」

えー、なんか。えー…。


みんなと団欒としてる時、機械音がなった。

「誰」

「俺ちゃうー」

「……ぐ〜」

「……俺でもない」

「違います」


また私?

まえにもこんな事あったよね、と携帯を出す。

「俺だ」

私だったし。

誠?

まえも誠だった。

「はい」

『みずな、成さんから伝言』

「ん」

『今日から仕事頼むって』

「了解」

『じゃあ、な。なんかあったら言えよ。流も心配してる。連絡してやれ。』

「わかった。ごめん。」

『あぁ、じゃあな。』

「じゃあ」

プーップーッ……


今日からか。

今晩、早速行こう。


そう決めたところで、みんなの視線が私に向いてることに気がついた。

「………何?」

そんな見られるのヤなんだけど。

「いや、なんかかっけぇ電話の仕方だなぁって。見た目モサイくせに。お前何?中身めちゃかっこいい的な?」

知らねぇよ。

龍太は外見いいのに中身残念だよねって言ってあげたい。