「レウちゃん、おはよー」


 六月二十三日。次の日も、教室に行くといつもと変わらずロアは私に手を振った。


 「また顔色悪いね、大丈夫?保健室行く?」

 「んー、大丈夫」


 鞄を机の横に掛けながら適当に答えて、机に突っ伏す。

 今日は凄く気分が悪いけど、保健室は行きたくない。
 ちょっとリイチ先生と顔を合わせたくないんだ。


 「無理しないでね?ほんとにやばかったらいつでも言ってよ、保健室付いてってあげるから」

 「あんがとー」


 身体がだるくて重い。肩の辺りに岩を乗せられたような感覚に襲われる……


 「……レウちゃん、髪傷んでない?寝不足?触っててチクチクするんだけど」


 え?



 ロアは今、私の髪を触ってる。



 けど、触られてる感覚が全くない。




 吃驚して跳ね起きると、ロアはキョトンとした顔をしてた。


 「お?レウちゃん復活した?」





 まさか……



 まさかね。



 「……まーだ復活してましぇ~ん」

 また机に突っ伏した。