「え・・・今なんて。」


先輩は優しく私を

教室の机の上に座らせた。

まだ目眩がする私は

先輩をはっきりとらえられない。

さっきのはきっと聞き間違いだ。


『だーかーら。

 絶対、俺に惚れちゃダメ。』


「え、意味が分かりません。

 だってもう、私先輩の事『駄目。』」


先輩の人差し指が私の唇の動きを止める。

そのまま先輩は私に顔を近づけて


『目を閉じて・・・。』


いくら2次元オタク女子の私でも

キスされるであろうことは

察しが付く。


「嫌です。

 なぜですか。

 どうして好きになっちゃ

 駄目なんですか。

 理由がわからないなら

 守れません・・・そんな約束。」


『なぜって・・・。

 好きになられたら

 面白くないでしょ。』


先輩の吐息が唇に当たる。


「な、なにを言って・・ひゃっ。」


先輩を押しのけようとする

私の手に、力は入らない。

そうこうしていると先輩は私の耳に

短いリップ音をさせながら

キスを・・・!?


「何してっ・・るんですかっ・・・!

 やめ・・・って・・・・。」


熱くなった体は言うことを

聞かない。