*葵side*





ベッドに寝転がって

私はただひたすら泣いていた




ガチャ…


部屋の扉が開く音がした

でも誰かなんてどうでもよくて

頭の中は白澤のことで

いっぱいだった…




「葵」

低い声でその人は私を呼んだ

白澤じゃない…誰だろう



そう思って体を起こすと

そこに立っていたのは



「凌也…」


尋奈の双子の弟だった



「何…?」

「別れたの?」


凌也は痛いところをついてくる


「…尋奈に聞いたの?」


あれ…?なんで私

別れたって言わないんだろう

受け入れられてないから…?





「いーから別れたの?」



「…うん」




ギュッ…






えっ?

目の前には凌也がいて

まるで全身を包み込まれているような

不思議な感覚…






私、凌也に抱き締められてるんだ…









「俺にしてよ」


は?

今なんていったの…?



「辛そうな葵はもう見たくない

俺ならきっと葵を幸せにできる

悲しませたりしなから」




…凌也がそう言った瞬間涙が溢れた