信じるか信じないか。

正直に言えば後者だ。

彼女…黛さんも機関とやらの人間。

さっきの女性…1号とかいうのと同じだ。

黛さんは機関から脱走してきたというが、口ではどうとでも言える。

もしかしたら1号とグルになって俺を騙そうとしているのかもしれない。

全面的に信用なんてできない。

できないが…。

「…とりあえず、さっきの女と黛さん…どっちについてくかって言ったら、黛さんの方がまだ安心できそうだ」

あの1号の無機質な感じは見るからに危険だ。

それに比べれば、まだ黛さんの方がマシだと思う。

あくまで比較論だけど。

「とりあえず、信用する事にする。半分だけな」

俺がそう言うと。

「…良かった…有り難う」

黛さんは心底安心したような笑顔を見せた。