「そういうとこだよ」


何を考えてるのか、ひなが僕をじっと見つめてくるからまた抱きしめてしまいそうになる。


そんな気持ちを抑えるように発した言葉なのに、ひなの顔はどんどんと赤くなっていく。


「そんな可愛い顔、僕以外の男に見せちゃだめだよ」

「それってどういう…」

「じゃあね。言いたいことはそれだけ。あ、特に蓮には気を付けてね」


ドアを閉めてから、ため息をつく。


「そんな可愛い顔されたら心配になるよ。無防備すぎ」


僕が気付かぬうちに、心で思ったことがそのまま声に出てしまっていた。



その声は、部屋の中まで聞こえていて、ひなはまたもや赤面していたらしい。