翌朝。学校に行くと、教室にいる美桜に言われた。



「どうしたの?世奈、目の下にクマ出来てるよ!」



そう言って、美桜が声をあげて面白そうに笑う。


…今朝、必死にファンデで隠したつもりが、ちゃんと隠れていなかったらしい。


あたしは美桜の言葉に鞄からファンデを取り出すと、目の下をぱたぱたとさせた。


あーあ、やっぱコンシーラーとか欲しいよ~。



「…ねぇ、美桜これで平気!?」



あたしがメイクを直した後そう聞くと、美桜は笑いをこらえて「うん、大丈夫。可愛い」と言ってくれた。

…なんか信用ならないけど、まぁいいか。




ってか、昨日はアイツ、健のせいでなかなか眠れなかったんだから。

そりゃあクマだって出来るよ。



そう思いながら鏡で自分の顔をチェックしていると、美桜が楽しそうにあたしに言った。



「…なんだか今日はやけに自分の顔を気にしてるね。

あ、まさか翔太くんのことを…!!」


「ちーがーう!あんな奴のためだけになんかお洒落しないっつーの!!」



あたしが即否定をすると、美桜は残念そうに「えぇ~…」と言ってちょっとうつ向く。