ひとりかくれんぼ

第三回目 午前

「…あき、ほ…起きて…。」
私は紫音の声で起きた。

紫音は泣いていた。理由はすぐにわかった。

早起きの美希が寝息もたてずに寝ていた。

私は美希の手首に触れた。

脈はなかった。死んでいるのだ。

「美希…？起きてよ…。ねえ、起きてってば！！」

私は泣きながら大声で叫んだ。だけど、いくら呼んだって返事はない。

何かのイタズラでありますようにと願った。

でも、皆も泣いていて、本当なんだと思った。

神谷くんも、祐希くんも泣いたあとがあった。

私は、こらえきれず、大声で叫びながら泣いた。
その間、紫音は私の背中をずっとさすってくれていた。


しばらくすると、私の声を聞きつけたのか、先生がやって来た。

「君達、また何をやらかしたんだ？」

私達は何も応えることが出来なかった。
私はただ泣くばかりで、先生も困っていた。

すると、美希が全く動かないことに気づいたらしい。

「まさか…！」
先生は美希の手首を触った。脈が無いことがわかったらしい。

「君たち！！まさか、殺したのか？！」
「いいえ、違います！！この中の誰も何もしていません。信じてくれないと思いますが、何があったのか、全て話します。これから言うことは、全て本当にあったことです。疑わないで下さい。」

祐希くんが必死に訴えた。そのおかげで、先生は真剣に聞いてくれた。

前半は前にも話したが、今度は半信半疑だけど、信じてくれた。

「仮にそれが本当なら、新野は死ぬまでかくれんぼをし続けなければならないじゃないか。」
「はい。そうです。だから、僕達で呪いを解こうと頑張っているんです。でも、先に死者が出てしまった…」
「でも、なぜ、ひとりかくれんぼに関係ない人が死んでしまったんだ？」

そういえば、なぜ…？
美希はひとりかくれんぼをしていないはずだし…

「あっ…！」

私はあることに気がついた。