ケータイ小説 野いちご

HERO

夏。



暦は七月に入った。

私が啖呵を切ってしまった日の夜、要からラインのトークが送られてきた。

"悪い、怒らせるつもりは無かった"

もうその時には私も落ち着いてて…私も謝ったんだけど、要は怒った理由を教えてくれなかった。


今日は七月一日。

朝登校した私が教室に入ると…

「今日転校生来るらしいよー?しかも男子だってー!」

「まじでー?イケメンだったらいいねぇ!!」

女子生徒達が黄色い声を上げて喜んでいた。

私には関係無いから正直どうでもいいんだけど…そういえば今日から圭太は要が通うジムの門下生になる日だった。

要は圭太と仲直りしてないみたいで…要が心配でどうしようもないや…。

私が自分の席に座って要を心配していると、眠そうな要が教室に入って来た。

「…はよ。」

「おはよ!」

要は席に座ると直ぐに机に顔を伏せてしまうんだけど、要は朝が弱くて朝はあまり口を開かないんだ。

眠そうな要が可愛い何て言ったら、要はどう思うかな…?

パラッ…

そんな事を微笑ましく思いながら要を見ていると、要の制服のズボンのポケットから一通の手紙が床に落ちた。

要は気付いてないみたいで私が代わりに拾うと…

「かっ要これ…ラブ…レター…??」

白い封筒に赤いハート型のシール…私にも解るくらいベタなラブレターの差出人はやっぱり女の子だった。

私の胸がズキズキッと傷んだ瞬間だった。

要は机に顔を伏せたままチラッとラブレターを持つ私を見た。

「…さぁな、捨ててくれ。」

要はそれだけ言うと、私の方を向いたまま目を閉じてしまった。

サラサラとした前髪から少しだけ見える要の寝顔が綺麗で…

ってちょっと待てよ!!

ラブレターに目線を戻すと、ラブレターは未開封だった。





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