ケータイ小説 野いちご

HERO

春。
冷血王子のファン。



花見をした次の日の昼休み─

私は手洗いに行くと要に言い、要に空き教室に先に行っててもらった。

手洗いから戻り教室に弁当を取りに来たんだけど…要の分の弁当が無くなっていた。

弁当が一人で歩く訳ないし…と自分の机の横に立って考えて居ると、三年生のクラスバッチを着けた化粧の濃い女子生徒が二人私の目の前に現れた。

しかも手には要の分の弁当を持って居る。

「…弁当返せよ。」

「瀬川様に近付かないで貰えるかしら?」

私のセリフは完全に無視された。

何なんだよ…瀬川様って…要か?

「要と仲良くしてたら悪いのかよ?」

そんな事より早く弁当届けてやらないと、要のお腹と背中がくっ付いちまうだろ…。

「貴女何様のつもりかしら」

カシャーン…

だけど女は私を睨み付け、私の目の前で弁当を床に叩き付けてしまった。

床に散らばる弁当の蓋やおかず、そして弁当箱…

「要の弁当に何しやがんだよ!?」

思わず怒鳴り散らす私を女二人は不適な笑みを浮かべて笑っていた。

「貴女まだ気付かないの?瀬川様は貴女がお嫌いなのよ?瀬川様の優しさに漬け込まないで頂けるかしら?」

「…」

…要が…私を…嫌い…?私は一瞬固まってしまった。

「それ…本当…なのか?」

私は奮える声で問い掛ける。

もし要が私を嫌いなら…私は要の傍には居られない。

「本当よ?もう止めて差し上げたら?瀬川様は貴女が迷惑だと仰っていたわよ?」

「…そうだったんだ…教えてくれて…さんきゅ。」

私は泣きそうになりながら弁当の残骸を広い集めた。

要に嫌われてたんだ…じゃあ親友でも居られないし、友達でも居られないよな…。

嫌いな私相手に優しくしてくれた要は本当に心優しい男だ。

バイバイ…要…大好きだけど、もう居なくなるから…。




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