ケータイ小説 野いちご

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HERO

春。
花見。



暦は五月中旬─

学校の中庭の大きな桜の木の下に由絵と要は居た。

桜は見事に咲き誇り満開だった。


大好きな苺柄のレジャーシートを広げ、要と花見をしながら三段重に入った彩り鮮やかな料理を食べる。

私の提案で中庭の桜が満開になったら、中庭で花見をする事になっていたんだ。

要は三段重にかなり驚いてたけど、「旨い。」と言って多分喜んでたと思う。

真夜中に起きて作った甲斐があったなぁ…ちょっと作り過ぎたけど…。

「旨かったぞ、御馳走様。」

「おん!お粗末様でした!」

三段重は要のお陰で綺麗に空になった。

要の身体の何処にそんなに入るんだろう?

疑問に思いながら空になった三段重を片付けると、要は仰向けに寝転び桜を見ていた。

「綺麗だな。」

「だろっ!届くかなぁ?」

要はボソッと小さく呟き、私は要の少し横で立ち上がりジャンプした。

「えいっ!やぁっ!」

「おい…危ないぞ。」

何度ジャンプしても、大きな枝には届かなくて…要に注意されても私は手を伸ばしジャンプを続ける。


可愛らしい下着が仰向けに寝転ぶ要に見えている事等、由絵には知る由も無かった。


「はぁ…肩車してやる、乗れ。」

見兼ねた要が溜め息を吐き、身体を起こししゃがみ込んだ。

要は背が高いから、肩車をして貰えば真上にある大きな枝に届くかも知れないけど…

「…重いから良いっ!」

私は断りを入れまたジャンプをする。

此れでも一応女なんだ、好きな人に体重が知れるのは嫌だった。




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