『―に発生したこの事件、時効がもうすぐとなりました』 『かわいそうにねえ。犯人、まだ捕まってないんでしょ』 『当時この兄妹は、まだ12歳と9歳だったそうです』 『気の毒にねえ…強く生きていてほしいですね』 こんな声が、テレビから聞こえる。 もう聞き飽きた言葉達。 かわいそう? 冗談じゃない。 ぶつりとテレビを消し、叫んだ。 誰も居ないけど、それでも。 「遺族はいつまで"遺族"なの?!」