「そういうのが、冷めていると思われているんじゃないの?紗菜は、物分りがいいのじゃなくて、ただ冷たいのよ」


「そうなのかなー。鈴華だったら、誰とどこで会うの?なんのために?って、事細かに聞く?」


何も予定のない土曜日。

体調も良くなり、一人でのんびりと過ごすのがもったいなくなって、大学時代からの親友である鈴華を家に招いた。

出掛けても良かったのだけど、鈴華が人混みに行くのは嫌だと言うので、家でのんびりお菓子をつまみながら、おしゃべりを楽しんでいる。

鈴華は今夜、ここに泊まる気満々で着替えまで持ってきている。午後からやって来たから、外はもう夕暮れで、カーテンのすき間からオレンジ色の空が見えてきていた。


「まあ、私も聞かないかな。私の場合は、紗菜みたいに興味がないんじゃなくて、興味がありすぎて、鬱陶しく思われることを怖れていて、聞けなくなっているのだけどね」