ケータイ小説 野いちご

モバイバル・コード

プロローグ『幼き日々と現在と』
4章『死闘』

「ふざけるな!!」


 オレは、ロビーの片隅に設置されている安っぽい木製机を拳で叩きつけた。


 『ゴンッ』という重低音と共に、吹き抜け状のロビーにオレの声が響き渡る。


「だから、人が死んだって言ってるだろ!? なんで分からないんだよ!!」


 朝食を済ませて警察署に来たのが30分前のこと。


 オレ達3人は、深夜に起きた事の顛末を警察署で話した。


 しかし。


 白髪混じりにコートを羽織った、テレビドラマなんかに出てくるベタな刑事は一切聞き耳を持たない。


 『叩き上げ』という言葉が頭に浮かんだ。


 オレと愛梨と雷也の3人はパイプ椅子に座り、刑事と話をしていた。


 その刑事にまともに相手にされず一言「帰れ」と一蹴される始末。


「動画で観たんだって! ジャコパの霧島慶二が殺される瞬間を! 場所は応接間! 秋葉原の『イルミナスタワー』っていうビルの、30階だ!!」

 
「もちろん証拠ならあります!おまわりさんも霧島慶二のことは知ってますよね!」


 雷也の声にも全く耳を貸さない。


「ああ。非番だったからテレビを観てたよ」


 けだるそうに答える仕草が、オレの……オレ達の怒りを増幅させた。

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