それから数日間、美樹は変わらず仕事終わりに私のマンションへと足を運んでくれていた。

 いい加減申し訳ない気持ちがピークに達しそうだったけれど、だからといってどうしていいかも分からず、私は美樹の厚意にただただ甘んじるだけの日々が続いていた。

  美樹が部屋へと上がる度に事件の進展について話してくれたけれど、今のところ事件が解決しそうな気配はなかった。

「もう四日か」

 美樹が視線を窓の外に向けた。

「何だかまだ実感ないや。こんな事今まで経験した事なかったし。今でも、普段通り上沼が出社してくるんじゃないかなって、時間になると会社の入口に目が行っちゃう。あんな奴でも、いざいなくなるとこんな気持ちになるんだね」

 私へと視線を戻しながら、少し疲れの滲む笑顔を美樹が見せた。