「うわっ……雨だ…最悪っ…」



空を見上げながら嘆くようにつぶやいた。



あれから実夕が矢口潤と一緒に帰り始めて、



あたしはこうして一人で帰るようになっていた。



……っていうか、矢口潤が部活が終わるのを勝手に実夕が毎日待ってるのだけれど。



それでも、そんな時間まで待つ実夕の気持ちはスゴイと思うし、



日が落ち暗くなったその時間を心配して、



なんだかんだと言っても結局実夕を送っていく矢口潤。



そんな二人に周りも噂をし始めていた。



付き合っている二人……そんな声が聞こえてくるのも当たり前のことなのかもしれない。



「今日…雨降るなんていう天気予報じゃなかったのに…」



次々と降り注ぐ雨音であたしの独り言はかき消されていく。



下駄箱で一人、傘を持ってこなかったことを後悔していたあたし。