(…………空耳?)



 右を向いて、次は左。

 誰もいない。首を傾げ、うなずく。

 そうよ、誰もいないはずだったもの。

 それを踏まえた上で叫んだんだから、誰かに見られたなんてバカな話……。



「あの」



 ……今、脳内をある可能性がよぎった。



(……まさか、後ろ?)
 


 そろり、と振り返り、硬直。

 そこには、1人の青年が立っておられました。