あたしは、あいつが嫌い。
いつもあたしをいじめてくるから。


「たまちゃん、」


猫なで声で近づいてくるあいつは、いつも高いところからあたしを見下ろすんだ。


今日こそは絶対に、絶対に、絶対に話してやらない。



「なーに、たまちゃん、怒ってる?」


にこにこ顔で近づいてくる彼の顔を見ないように、あたしはふいっと視線をそらした。



そんなに怒るなよー、と言いながら彼は反省している様子など微塵も見せない。



あたしの制服をつんつんつつきながら、あたしの反応をうかがっている。