カチリとスタンドの灯りをつけると、それまで暗闇に包まれていた部屋が薄いオレンジ色の灯りに照らされた。

ベッドのうえの真っ白なシーツが乱れているのは、さっきまでそう言うことをしていた証拠だ。

躰の中の熱を吐き出すように、京香は息を吐いた。

同じように横になっている恭汰は天井を見つめながら荒い呼吸を繰り返していた。

チラリと京香の方に視線を向けると、背中の真ん中まで伸びた黒い髪があった。

その黒い髪に手を伸ばすと、汗ばんでいた。

スルリと、黒い髪が手から離れた。

京香が躰を起こしたのだ。

「――ダメだ」

そう言って恭汰は京香の腕に手を伸ばすと、彼女を横に戻させた。