あれから、毎日のように学校まで、迎に来てくれて、休日も私の家に来ている廉乃くん。
そして、今日も休日。
そろそろ来るかなぁー?
なんて、考えてると…
ーピンポーンー
「はーい。」
インターホンのカメラも確認せずドアを開ける。
「こんにちは。」
と頭を下げたのは…
「お母さん?」
廉乃くんお母さん。
手には廉乃くんのリュックと、廉乃くんの手を握ってる。
「あのー…ほんと言いにくいんだけど…」
「はい。なんですか?」
「今日と明日、私出掛けなくちゃならなくて…」
「はい。」
「うち、母子家庭だし、この子頼める人も近くに居なくて…
今日だけ面倒見てもらってもいい?」
「あっ、はい!
全然良いですよ。」
「ほんとに?!
良かったァー。
ほんとにお隣さんが望愛ちゃんで良かったぁー。」
「そう言ってもらえて嬉しいです。」
「じゃあ、よろしくお願いします。」
と、頭を下げるお母さんと
「よろしくね、望愛。」
と、上目遣いで見る廉乃くん。
「はい。気をつけて行ってらっしゃい」
と言うと、
「うん。ほんとにごめんねぇー。
行ってきまぁーす。」
と言って、一旦家に帰ったお母さん。