桜の花弁もすっかり無くなり、樹に葉をつけ始めている5月。


ガラガラ


看護師さんが入ってきた。


「朝日さん。健康診断しに来ました。」


「あ。はい。」


「では、熱から計ります。体温計です。どうぞ。」


「はい。………」


「あの………。すみません。」


「はい??どうかされましたか?」


「恋ってなんですか?」


「あ、朝日さん!!!!ちょ、恥ずかしいことをお聞きしますね!笑」


「ええっ!なんかすみません!ちょっと聞いてみたかったのですが、、、」


「全然良いですよ!恋ですよね、、」


「はい。」


「恋は相手を好きになる。です。」


「…相手を好きになる??」


「朝日さん、好きな人居ませんか?他に、、大切なひととか!!」


「…大切な人………………」


「美春さんは、まだ思い出せないかもしれませんがとっくに恋をしているんですよ!」


「…えええええええ!!!!」


「気づかないんですよ。気づくときもありますが、、。恋っていたずらな魔法ですよね。」


「うーん。」


「焦らずゆっくり思い出して下さい。あ。では、、、私はこれで」


そう言って、看護師は美春の病室を出た。


「恋、、、。恋、、、、。私はもうしている?、、、。誰にだろう?」



『、、、、美春。美春。』





「うっ、、、思い出しそうなのに思い出せない、、、」



美春は恋で悩んでいた。