次の日、あやめは、

学校が終わってから、

まっすぐ、公園に走ってきた。



樹美ちゃん、ここの近所に住んでるって言ってたけど、

遊びに行ってもいい?って聞いちゃおうかな…

あっ、でも、先に家によぼうかな…

お母さんが、つれてきてもいいって言ってたし…


頭の中では、どんどん樹美ちゃんとしたいことが、

ふくらんでいく。



「あやめちゃん、

砂場で、コイチゴちゃんのお城作らない?」



ふと、気づいたら、すぐ側に、樹美が立っていた。



「うん!いいよ!」



二人は、

いろいろおしゃべりをしながら、

砂場でコイチゴ城を作りはじめた。


ボーイフレンドのキャラマスコットもあったらいいのになとか、

コイチゴちゃんの得意なラズベリーパイって、食べた事ある?とか…


最初は、お城のつもりが、滑り台や、プール、レストランも作ったので、

結局は、ディズニーランドみたいになった。


最後に、二人の六色のコイチゴちゃんを、並べて配置して、

コイチゴランドが完成した。


「完璧だね!」


あやめは、満足そうに砂場をながめた。


「うん。

このまま残しておきたいくらい」



「写真にとってあげようか?」



二人の後ろに知らないお兄さんが、

レンズの大きなカメラ首からさげて、立っていた。