それから、花織は山崎とともに必死に怪我をした隊士たちの看病をした。

ほとんどの隊士は元気になることができた。


そして、池田屋事変から一ヶ月半ほどたった七月も終わりのある日の夜中。花織は土方に叩き起こされた。


「松田! 着替えたらすぐ、安藤の部屋へ向かえ!」


普段は冷静な土方の息が弾んでいた。

花織は察した。ただ事ではないと。

着替えながら外にいる土方に声をかけた。

「副長! 安藤君に何があったんですか!?」

花織は焦った。


「安藤の容態が悪化した。いま医者をよんだところで、山崎が様子を見ている」

三分くらいして、着替え終わり、麩を開け、土方の後に続き、安藤の部屋へ走った。


どうか間に合って……。


その思いがずっとかけめぐっていた。