入隊試験に合格した花織は、土方たちに平隊士としておくには勿体ないと言われ、晴れて新しく作られた十一番隊の組長に就任した。




そして、タイムスリップをしてこの時代に来てからだいたい半月の一月も後半に差し掛かってきたころ。


私はいつも通り巡察をしていた。



「うぅ…。寒いっ!」


かじかんだ手に白い息を吹きかけてみても全くと言っていいほど暖まらない。


隣を見ると、割と仲のいい山野八十八も同じことをしていた。


器量の良い八十八の様子を見ていると、可愛くて思わず微笑みが浮かんでしまう。



そんな時だった。


「花織さん。なんか僕達つけられてますよね」



後ろから何者かに付けられている気配がしたのだ。