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体育祭から数週間たった




足と腕の怪我は、かさぶたになっていて、少しむず痒かった


今は7月に入って5日目くらい



あと少しでテストがある



「はぁ…」



「ちょっと凛、そんなため息ついてたら幸せ逃げるわよ」




私は前の席で鏡を見ながら髪の毛を整える萌をジロッと見る




「しょうがないよ。
高野くん、人気者だもんね」



「なっ!?」



突然美里がそんなこと言うから私は思わずガタッと立ち上がった


「あら、図星?」




「ち、ちげーよ」



私はサッと椅子に座り机に頭を伏せる



「図星みたいね」



ふふっと萌の笑う声と「そうだね」っていう美里の声が聞こえたけど無視無視



チラッと腕の隙間から教室のドアを見ると



………まだしゃべってるよ



ドアに寄りかかりながら、可愛らしい先輩と話す優が見えた



確かあの先輩は男バスのマネで、今高2



……最近、優によく会いに来る




そんな光景を見るたびに私の心臓がズキっと痛む




やばい、ほんとに病気だ、私……




心臓がどうかしちゃってる



でもそんな光景を見て頭の中に浮かんでくるのは



『優はあの先輩のことが好きなのかな?』


とか


『もしかしてあの2人は付き合ってるのかな?』




とかそういうのばかり



私、頭もどうかしちゃったみたい